【プログラミング教育に困ったときのテクニック】発表は結論から伝えてもらうためのテクニック
行動が目的になっていると発表が伝わらない
授業、研修、ワークショップを運営していると、参加者のみなさまが目的のために一生懸命になっている姿を目の当たりにすると心躍りますし、すっかり時間が経つのを忘れてしまいますよね!
それだけ作業に集中し、良い成果が出来上がったとしてもいざ発表のタイミングで「あれ?結局相手は何を伝えたいんだろうか?」という結果になってしまったことはありませんか?
おおよその場合、「発表=これまでの流れを説明する」になってしまっており、肝心の「結論」を伝えそびれてしまいます。
また、本人は結論だと思っていても結論になってなかったりと、せっかくの成果が台無しになってしまいますよね。
この場合、参加者の頭の中は常に目の前の事一点に集中しています。
つまり、行動が目的になってしまい、成果を発表することまで気が回っていません。
成果の発表には「結論」が必要です。
特に、「結論から話しなさい」と言っても話せない方がいらっしゃいます。これは相手の頭の中で「結論」の意味が伝わっていなかったり、はたまた緊張していたりといった状況です。
今回は、あなたが相手に物事を結論から伝えてもらうためのテクニックについて解説します。
結論から話すことは簡単ではない
この記事を読んでいるあなたが、結論から話すことができない相手に対して「なんでそんな簡単なことができないんだろう?」と思ったことがある場合は、まず、その気持ちを頭の片隅に置いたうえで続きを読んでみてください。
例えば、あなたが「貧困の国で起こっている問題について3分で調べて答えなさい」と言われた場合、急には答えられないと思います。
まず、3分で調べて答えるというミッションが発動した途端に、頭の中では「調べることが目的」になってしまう方が多いのではないでしょうか。
こんなの分かるわけないだろう!と思った方はいま一度、先ほどの「なんでそんな簡単なことができないんだろう」と思ったケースを思い出してみてください。
そう。あなたは同じことを行なっていた可能性が高いのです。
あなたがこれまで、授業などを運営し、発表のタイミングで上手くいかなかったなと心当たりがある場合、さらに過去に遡って、どのようなワークをしようとしたのかを思い出してみてください。
結論から話してもらえる方法
それでは、結論から話してもらえるようにはどうすれば良いのでしょうか。
結論を言ってしまえば、「結論を言ってもらえるように誘導」してしまえば良いのです。
方法はいくつもありますが、ポイントは、「相手は結論を出すということに不慣れ」もしくは「結論の出し方がわからない」可能性があるということです。
①とにかく書いてもらう「ラブレターパターン」
- 事前の準備:不要
- 作業の時間:長い
「結論から」という概念を一度捨て去り、発表したい内容を書いてもらいます。
この時に重要なのは、あまり深いことは考えず思いついたことを書いてもらいます。文章を書くのが苦手な方は箇条書きでも構いません。思ったことを全て出しきってください。
次に、書き出した内容から、これは重要だというポイントにチェックを入れてもらいます。
チェックを入れたものの中から結論となるワードを導き出します。
おおよその場合、結論はチェックを入れた中の後半に登場するはずです。
発表はその導き出したワードから話をしてもらいます。
②記入を分ける「ネクストステップパターン」
- 事前の準備:考えを書き出す用紙と、結論を書き出す用紙の2つ。時間を計測するもの
- 作業の時間:長い(ただし、調整は可能)
前述のラブレターパターンの応用パターンです。
まず、考えを書く用紙を準備して、ラブレターパターンと同様に思いついたことを書いてもらいます。このときに制限時間を設けておくのも良いでしょう。
次に、考えを書く用紙から、結論を書き出す用紙に結論となるものを書き出します。
この時、結論を書き出す用紙には、大元になる質問を書いておくと、質問と解答が一致しやすいです。
そのほかに挙がった内容も、結論に至った理由として書き写してもらうのも良いでしょう。
発表は、結論を書き出す用紙を用いて話してもらいます。
③文字数を制限して簡潔にする「クロスワードパターン」
- 事前の準備:不要
- 作業の時間:短い
クロスワードパターンは、発表する結論の文字数を20文字などと制限してしまう方法です。
結論は?と聞いているのにもかかわらず、説明が冗長的になってしまう場合に有効です。
前述のパターンとは異なり、発表する文字数を気にしながら文章を作るくらいの時間しかかからないでしょう。
発表の際に、結論を述べてもらったあとは、その理由を自由に話してもらいます。
話をまとめるよりも、結論を導き出すことが重要
今回ご紹介したパターンは、いずれも結論を導き出すための作業で、話をまとめるためのものではありません。
いずれかの方法を行うにしても、発表は必ず「結論」から話してもらうように意識しましょう。
また、結論のあとに理由を話していると矛盾が出てくるのは付きものです。
このとき、大事なのは、矛盾を指摘するのではなく「こういう考え方はないかな?」など、発表へのアドバイスとして優しく振る舞いましょう。
指摘はモチベーションの低下を生みますが、アドバイスであれば、発表した本人も新しい気付きにつながります。
大切なのは結論に導くためのイメージを頭の中で描けるか否かです。