【プログラミング教育に困ったときのテクニック】すぐに試せる振り返り手法。「後悔」と「反省」を使いこなす
子どもだけではなく、大人でも難しいテーマ「後悔」と「反省」
プログラミング教育にかかわらず、日常生活、社会人生活において、「後悔」と「反省」は常につきものですね。
イメージしていた結果にならなかったので、ついついネガティブな発言をしてしまったり、ひどいときは物事を投げ出したり、誰かのせいにしてみたりと、大人にとっても向き合うことの難しいこれらを、子どもたちに教えていくにはどうすれば良いのかについて解説します。
「後悔」と「反省」についてしっかりと理解し、上手く付き合うことで相手だけではなく、自分自身のモチベーションもコントロールできるかもしれません。
「後悔」と「反省」の違いを理解していますか?
そもそもとして、「後悔」と「反省」の違いはなんでしょうか。
日常生活においてはどちらも同じようなシーンで使われているようにも思えますが、実際は全く違います。
例えば、あなたは翌日に数学のテストを控えている学生だったとします。
起こってしまったことを後から悔やむことが「後悔」
翌日に向けて勉強をしていたあなたは、テストに出そうな方程式のページにたどり着きました。
あなたは方程式の問題は苦手で、なかなか頭に入ってきません。
しかし、集中力が高まっている状態のあなたは今日だったら克服できそうな自信がありました。
ですが、時刻は夜の9時。テレビでは楽しみにしていたドラマの最終回が始まっています。
録画はしているので後で見ることはできるものの、どうしても続きが気になってしまい勉強に手が付きません。
あなたは「1時間だけ休憩」と思い、意識を机の上からテレビの前に向けてしまいました。
その後は想像のとおり、集中は途切れてしまい、勉強に手がつかず、そのまま苦手な方程式のページを飛ばしてしまいました。
翌日のテストでは、案の定、方程式の問題が出題されました。
結果は惨敗。しかも、方程式の出題範囲はまさしく、飛ばしてしまったページに書いてありました。
「あの時にやっておけばよかった」
以上のように、取り返しのつかない状態を後から悔やむことが後悔です。特にプラスになる要素はありません。
起こってしまったことから次につなげることが「反省」
翌日に向けて数学のテスト勉強をしていたあなたは、苦手な方程式の勉強に手をつけず、好きなドラマを見はじめてしまいました。
ドラマを見た後のあなたは集中力が続かず、勉強もおざなりになってしまい当日を迎えます。
結果は惨敗。しかも、方程式の出題範囲はまさしく、飛ばしてしまったページに書いてありました。
ここであなたはこの結果を踏まえて勉強のときには以下のようなルールを作りました。
- テスト勉強は毎日2時間やる
- テスト勉強は好きな番組が始まる前に終わらせる時間から始める
「反省」は「後悔」と違い、結果を振り返って次の行動に活かすポイントを見つけ出します。
また、先ほどの例は、テスト結果が惨敗だった。つまり、期待していた結果にならなかった場合のケースを挙げていますが、次のような場合も「反省」のケースです。
反省のケース②
あなたは、数学のテスト結果を見て驚きました。なんと満点だったのです。
これまで満点を取るにはかなりの努力が必要な結果ばかりだったので、喜びを隠しきれません。
ですが、あなたはここであることを考えました。
「今回はなんで良い結果が出たんだろうか?」
確かにテスト勉強はそこそこ頑張っていましたが、テスト勉強をしていなかった部分もスムーズにペンが進みました。
そこであなたは、前回のテスト以降に始めた「毎日の学習内容は1日30分復習する」という習慣を思い出しました。
最初は30分やっても何も変わらないと思いながらやっていましたが、どうやら効果が出たように感じたのです。
テスト結果が良かったという成功体験も手伝い、あなたは自信が出てきました。その日以降も1日30分の復習を欠かさないように決めたのです。
先ほどの例は、自分の想定していない「悪い結果」から反省したケースでしたが、今回はその反対で「良い結果」から反省をして次につなげているのです。
このように、「後悔」は後になにも残さいですが、「反省」は次につながる重要な振り返り手法になります。
しっかりと「反省」するには、「失敗」を捨てる
ここまで読んでいただいて、「反省」は次につなげる大事な振り返りであることは理解いただけたと思います。
あなたの周りで「反省しています」とだけ言って同じことを繰り返してしまう方がいる場合、それはしっかりと「反省」していないのかもしれません。
さて、では、もうひとつ「反省」に関する重要な考え方をお伝えします。
それは「失敗」を捨てることです。
これは「失敗」してはいけないというわけではありません。
「失敗」は次につながる反省点を見つけるタイミングにすぎないからです。
私は日頃から「失敗した」と口に出さないように心がけています(とはいえ言ってしまうときもあるのですが)。また、自分自身が期待した結果にならなかった場合も「失敗だった」と思わないようにしています。
人間だれしも「失敗」はしたくないものです。期待していた結果と異なってしまった場合、モチベーションは下がり、次のアクションがどうしても遅くなります。
IT業界では「トライ・アンド・エラー」という言葉とよく使います。
決してITに特化した言葉ではありませんが、プログラムなどの開発作業が「プログラムを書いて、動かして、だめであれば次のケースを試す」といったことを繰り返しているからでしょうか。
トライ・アンド・エラーは、失敗の繰り返しではなく、様々なケースを試して正解を導き出すものです。常に反省を繰り返しているような状態です。
もし、相手が「失敗した」と落ち込んでいたら、「反省」を促してみましょう。
きっと良い結果に近づくはずです。
また、「反省」の進め方として有効な振り返り手法であるKPTについても紹介しています。
合わせてご覧になってみてください。