【教育者必見!】プログラミング教育に役立つ資格試験7選
資格取得の必要性
プログラミング教育必修化に伴い、教育に携わる方たちにICTやプログラミングの知識が切っても切れない存在となってきました。また、これからプログラミング教育に携わることを考えていらっしゃる方も「何か証明するスキルを」と思われているのではないでしょうか。
今回はプログラミング教育に役立つ資格をピックアップしました。既に知っている方もそうで無い方も、ぜひご一読ください。
※内容は2018年10月時点の資格概要を筆者の解釈も合わせて紹介しております。詳細は各試験の公式サイトにてご確認ください
プログラミング教育に役立つ資格試験7選
①ICT支援員
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概要
ICT支援員は、情報ネットワーク教育活用研究協議会/教育情報化コーディネータ認定委員が2013年から運営している資格で、学校へのICT(俗にITと呼ばれる情報技術分野)の導入を、読んで字のごとく、支援する立場であることを証明する資格です。
学校教育に携わることができますが、資格取得にあたって教員免許は不用です。受験のハードルが低いのが特徴です。逆に言えば、教員の資格ではないので間接的に学校教育に携わることになります。例えば、直接子どもたちに教えたり、校務ができないことに注意してください。支援方法としては、学校へのICT機器導入に関するアドバイスや、オブザーブが挙げられます。
試験範囲
情報技術分野という、幅広い領域に対する知識が必要であることは事実ですが、IT業界で働くエンジニアレベルまでは求められず、あくまで教育現場、つまり、学校に配備する(されるべき)情報機器などの知識が求められます。
試験は、A領域、B領域に分けられており、A領域は、知識問題で、教育および技術に関する用語、OSやソフトウェア、機材の知識や操作方法、トラブルシューティング、校務での運営方法などが問われます。B領域は、コミュニケーション能力、つまりは実技問題で、校務での問題対応やICT機器の取り扱いなどを的確に説明できるか否かが問われます。
②教育情報化コーディネーター
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概要
教育情報化コーディネーターは、情報ネットワーク教育活用研究協議会/教育情報化コーディネータ認定委員が2003年から運営している資格で、前述のICT支援員よりも歴史は古いです(若干ですが)。実務中心のICT支援員とは違い、ICTの知識に加えて、ICTを活用した教育の在り方をデザインする技能が求められます。
例えば、購入した機器をどの教室に設置して、どのような操作が必要かというアドバイスを行うのがICT支援員の役割であることに対し、国内外の教育動向に関する知識を持ち、いま学校に対してどのようか教育が必要で、然るべき機器は何か?などのアドバイスを行うのが、教育情報化コーディネーターであると言えます。
試験範囲
教育情報化コーディネーターには、1級から3級まで設けられており、上位の資格取得には下位の資格を有していることが条件となっています(2級取得には、3級保持が必要など)。
3級で取り扱われる内容は、前述のICT支援員に近しい内容と思われます。2級以上に関しては更に上位のレイヤーの問題が出題されるものと推測されます(推測というのは過去問が出回っていないためです)。また、2級については1次試験、2次試験に分かれており、1次は選択問題と小論文。2次は事前の課題提出と口頭試問が実施されます。更に1級については2級以上の実務経験もしくは相応の資格が必要です。
③ITパスポート
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概要
ITパスポートは、IPA(情報処理推進機構)が運営している、ITを利用する全ての人が知っておくべき基本的な知識を証明するための資格です。ICT教育ならずとも、学生、社会人であれば取得していて損はないでしょう。また、IT企業においては入社直後(もしくは入社まで)の必須スキルとしているケースも多く、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などに並び、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
試験範囲
ITパスポートの試験範囲は大きく分けて、ストラテジ系(企業戦略、法務など)、マネジメント系(プロジェクトやサービスのマネジメント、開発役務)、テクノロジ系(ITの基礎、コンピュータの仕組み、データベース、セキュリティなど)の3つに別れています。基本情報技術者試験と出題される項目は似ていますが、もっと基本的な内容が出題されます。とはいえ、IT未経験者の方が受験するには少々ハードルが高いものも多く、事前に幅広い知識を習得するのが中々大変だと思います。
④情報検定(J検)
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概要
情報検定(J検)は、一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団 検定試験センター (旧 専修学校教育振興会)が運営する資格です。実務に役立つ知識を習得してもらうことに着目し、資格取得者の職業などを考慮した試験体系(試験分野とレベル)になっています。例えば、ITエンジニアであれば情報システム試験分野、それ以外の職種でITリテラシーの習得を目指す方には、情報活用試験分野か情報デザイン試験分野に分かれて受験できます。
試験範囲
前述のとおり、受験する分野とレベルに応じて範囲は変動しますが、情報システム分野であれば、プログラムの知識や、ハードウェア、ソフトウェアの知識が問われます。また、情報活用分野であれば、コンピュータの仕組みや操作方法、情報モラル、情報デザイン分野であれば、情報の分析や問題解决手法など、情報の性質や扱い方に関する内容が出題されます。
⑤P検(ICTプロフィシエンシー検定試験)
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概要
P検(ICTプロフィシエンシー検定試験)は、ICTプロフィシエンシー検定協会が主催し、ベネッセコーポレーションが実施運営する試験です。中立性や公平性をの観点から、ベンダーロックインのない試験運営を行うこと理念としています。また、学習指導要領にも準拠しており、今後のプログラミング教育に必要な知識を習得できます。
試験範囲
試験は1級~5級まで準備されており、一般問題と、その級に応じた実技や論述問題の組み合わせとなっています。例えば1級であれば「ビジネスイノベーションリーダーに要求されるICTスキル」として、情報セキュリティ管理、企業内ネットワーク構築、業務プロセス改善、ICTを活用した問題解决などが問われます。一方、5級の場合は、コンピュータやネットワークの基礎知識や、情報モラルが問われます。
⑥ドットコムマスター
公式サイト
概要
ドットコムマスターは、民間企業であるNTTコミュニケーションズが運営する、インターネットの利用に関する資格です。一般家庭レベルから、ネットワークエンジニアレベルまで、活用シーンに応じてレベルが別れているのが特徴です。
試験範囲
試験はBASICと、ADVANCEに分かれており、一般レベルのBASICについては、ICT機器の操作やインターネットの利用方法について出題されます。ADVANCEについては、インターネット技術に関する内容や、インターネットセキュリティ、法律関連が出題されます。また、ADVANCEには、更にレベルが分かれており、シングルスター(700点満点中、460点以上で合格)と、ダブルスター(1,000点満点中、700点以上で合格)があります。
⑦パソコン整備士検定
公式サイト
概要
パソコン整備士検定は、特定非営利活動法人 パソコン整備士協会が運営するパソコンをはじめとするICT機器のと扱いに関する資格です。パソコン整備士という名前のため、工業的なニュアンスに捉えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、内容としてはパソコン操作からサーバ構築まで幅広く取り扱っているのが特徴です。特に今後、ICT機器を校内に配備する際には知っておいた方が良い知識も多いでしょう。
試験範囲
試験は1級から3級まで準備されており、パソコン操作レベルの知識が問われる3級、パソコンやネットワーク機器の構成や設定に関する知識が問われる2級、サーバやネットワークポリシーに関する知識が問われる1級と、徐々にレベルアップしていきます。おそらく1級まで取れれば、校内のICT機器はある程度運用できる知識が備わると思います(あくまで運用保守には一定の実務経験は必要と思いますので、知識としてのレベル)。
いまこそ資格取得に目を向けみるべき
おそらく、趣味で資格を取っている方を除き、社会人になってから定期的に資格を取るということは少なくなっていると思います。実務に必要な知識は、それこそ実務を通して覚えるし、その方がモチベーションが保てるということもあるでしょうし、受験費用も安いものではないです。また、なんと言っても「時間が無い」のが一番の理由ではないでしょうか。
ですが、「慣れ」はやはり怖いもので、年数が経つと知識は陳腐化してしまいます。特に日頃、教育に携わっている方であればなおのこと、陳腐化した知識のまま教えてしまうのはあってはいけないことでしょう。
世の中では「プログラミング教育」というキーワードの他に、「リカレント教育」つまり学び直しによるスキルやキャリアのアップデートが話題となっています。今回のように「資格取得」がきっかけで学習を矯正することによって
- 体系だっった知識が学びなおせる
- 更にプロフィールが充実する
- チャレンジすることに意味がある(仕事に対するモチベーション)
につながると思います。
資格取得は、経歴に華をもたせるものでもありますが、「知識のアップデート」としても活用していくべきなのではないでしょうか。