【プログラミング教育に困ったときのテクニック】フローチャートを使った教育の上手な進め方

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小学校教育ではフローチャートを使った教育が増加

新しい学習指導要領にて、小学校教育ではフローチャートを用いて物事を考える、もしくは行動するためのプロセス(過程)を学習に取り入れるケースが増えています。

 

ですが、プログラミング教育の本質を理解しないまま授業を進めてしまうと、いつの間にか「これまでと同じ」教え方になってしまう落とし穴が待っています。

 

今回は、改めてプログラミング教育の本質を振り返り、フローチャートを使った教育に潜む落とし穴と、教育を上手に進めるためのテクニックについて解説します。

プログラミング教育として必要なものは?

なぜ、プログラミング教育ではフローチャートを用いた教育が盛んなのでしょうか?

フローチャートを用いる本質は、プロセス(過程)を考える力を身につけることでしたね。

 

プロセスは今後のAI時代を生き抜くための基本スキルです。

自分や組織が達成したいゴールに向かって、どのような道筋をたてるのが適切なのかを考え抜く力です。

AIだけにとどまらず、普段我々が使っているIT関連の機材、アプリケーションは全てプロセスが組み込まれています。

 

もちろん、それらを考えたのは人間であることは間違いないですし、都度考える手間を省くためにAIやプログラミングによって自動化しています。

それらの本質を理解し、使いこなすためにもプロセスを自ら考えることは非常に重要なのです。

フローチャートを使った教育に潜む落とし穴

それでは、プログラミング教育の本質を思い出したうえで、フローチャートを使った教育に潜んでいる落とし穴について解説したいと思います。

 

もし、この記事を読んでいるあなたが普段、プログラミング教育を意識し、フローチャートを授業に取り入れている場合は、授業風景を思い出しながら読んでいただければと思います。

 

フローチャートを使った教育の落とし穴は「パターン化」です。

日本の教育は方にはめた教え方を得意としていますが、プログラミング教育においては仇になってしまうケースがあります。

 

ここでもう一度「プロセス」について思い出していただきたいと思います。

プロセスは、考え、もしくは行動の過程です。

 

例えば、あなたが家庭科の授業でたまご焼きを作る際、

  • たまご2つ
  • 砂糖大さじ1
  • 塩少々

と、伝えたとします。

この時点でたまご焼きを作るためのプロセスが「たまご2つに、砂糖大さじ1、塩を少々入れて作るもの」が確定してしまうのです。

 

日本の教育では、まずは型(パターン)にはめることを得意としています。

ですが、プログラミング教育において、型にはめるというのは既に完成したプロセスを刷り込んでしまう結果になります。

 

言い方を変えると「基本ができて応用ができない」パターンになってしまいます。

 

プログラミング教育は過程が重要です。

 

大切なことなので、もう一度書きます。

 

プログラミング教育は過程が重要です。

 

シラバスや授業時間、その他の外部要因を意識しすぎるあまり、教え手はついつい目的を見失って(私もたまにやってしまいそうになりますが)、分かりやすい教え方を「授業が予定どおりに終わる方法」にすり替えてしまう場合があります。

 

このときにやってしまいがちなアンチパターンとして、先ほどの例に挙げたとおり、プロセスを先に教えて、先に型を作ってしまうのです。

一度型を作ってしまうと、なかなかそこから脱することができません。

 

特に、子どもたちに対して「あくまで例だから、これを参考にして自由に考えてみて」と伝えても、意識を変えることが難しいのはお分かりいただけると思います。

上手にフローチャートを使った教育を行うには?

では、フローチャートを駆使しつつ、どうやって教育を進めるのが良いのでしょうか。

進め方としては、まず流れを大きく2つに分けるところからはじめます。

①フローチャートの書き方を覚える

まず1つ目のステップとして、フローチャートの書き方を覚えるところからはじめます。

基礎を教えるので、簡単だと思ってしまいがちですが、ここでも気を抜いてはいけません。

 

ここでは次のステップにつなげるための仕掛けをしないといけません。プロセスを考えさせるために、可能な限り「型から外す」工夫をしてください。

フローチャートの書き方を教える際に前述の落とし穴にはまってしまいます。

 

例えば、条件分岐を教える際にも「数が10より大きか小さいか」といった例を出しますが、この時点で教え手は聞き手を型にはめ込んでいます。

つまり、条件分岐は「10より大きいか小さいか」しかできない状態を作り出しています。

 

もちろん、感の良い方であれば、柔軟に要素を変更することも可能ですが、教え手はできる方に満足してはいけません。

では、どうすれば「型から外す」ことができるかと言えば、パターンを作ってチャレンジしてもらいます。

 

例えば、先程の例で言えば「数が10より大きか小さいか」でした。

この場合は以下のようなパターンも作れます。

  • 「数が100より大きか小さいか」
  • 「数が7より大きか小さいか」
  • 「数が10と同じか」

など、上記はあくまで一例です。

 

ここでのポイントは、様々なパターンの例題にチャレンジしてもらうことで、柔軟にフローチャートを使いこなせるようにする応用力を身に着けてもらうことにあります。

②プロセスを考える

2つ目のステップとして、フローチャートを使ってプロセスを考えてもらいます。

このときのポイントは「フローチャートの例を提示しない」ことにあります。

提示するものは「目的」だけにしましょう。

 

例えば、お題として「1と2を使って結果が10になるようなフローチャートを考てみる」など、期待する結果(目的)だけを提示します。

 

よく、穴埋め形式で教えてしまうケースもあります。これは教え方としては間違いではないのですが、プロセスを教えるという目的を考えた場合は、決してベストな方法ではありません。

 

フローチャートは、前述の書き方の時点である程度覚えているはずですし、100%覚えていなくとも、隣同士で話し合いながら考えたり、教科書などで調べたりと、この行動にも大きな意味があります。

最短で答えにたどり着くという目的では何の意味もありません。

 

フローチャートは型にはめ込んで使うものではなく、頭の中で考えたプロセスを表現するためのツールに過ぎません。

プロセスを考えてもらうためには、型にはめ込まない柔軟性が必要なのです。

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