【プログラミング教育に困ったときのテクニック】より良いフィードバックの方法

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教育をしていると、果たして「自分が行っているフィードバックは正しいのか?」と思ってしまうことはないでしょうか?あなたがもし「フィードバックは難しい」と感じているのであれば、今回の記事は参考になるかもしれません。

 

今回は、より良いフィードバックを行うために「フィードバックの目的」、「フィードバックの仕方」について解説します。

フィードバックの目的

そもそもとして、あなたがフィードバックを行う目的はなんでしょうか?ここでもし、あなたが「自分の意思を伝える」と考えている場合、半分正解で、半分間違っているかもしれません。

 

もちろん教える立場として自分の意思を伝えるのは重要ですが、力加減を間違えてしまうと「自分の意思の押し売り」になってしまいます。重要なポイントは「相手に気づきを与える」というのが最大の目的であり最優先事項であるということです。自分自身の意見を伝えるだけでは、相手には何も伝わっていないと言っても過言ではないでしょう。

 

話を聞いている側がついついやってしまう癖として「あいづち」があります。あいづちは、一見すると話を理解しているようにも思えますが、だいたいの場合は反射的にうなづいているだけにすぎないでしょう。フィードバックをしていると、ついつい、あいづちを見て話の理解度を確認してしまいがちですが、視覚的な情報はさほど役にはたちません。

 

更に、フィードバック中にしてはいけない質問があります。それは「わかった?」というひと言です。この質問はさきほどのあいづちと同様に、理解度を確認するためにしてしまいますが、「わかった?」は「はいって言って」と指示を出しているようなものです。繰り返しですが、フィードバックは「相手に気づきを与える」ことが目的であり、「自分の意思を押し売り」することではありません。

フィードバックの仕方

では、上手にフィードバックをするにはどうすれば良いのでしょうか?

 

ちなみに、あなたの場合はどうすれば良いと思いますか?

これが、いちばんのヒントです。

 

相手に気づきを与えるためには、相手に考えてもらうことが重要です。気づきは、つまり内省です。意識が相手に向いていては何も始まりません。あくまでのあなたの言葉は気づきを与えるためのヒントであるべきです。そのためには「伝達5割:問いかけ5割」でフィードバックしましょう。そして、大切なのは「相手に内省してもらうこと」です。

 

例によって、たまご焼きが甘すぎたケースで考えてみたいと思います。あなたが家庭科の授業でAさんといっしょに振り返りをしていたとします。

<パターン1>

あなた:たまご焼きが甘かったのはなんでだと思う?

Aさん:うーん

あなた:砂糖を入れすぎてしまったのが原因だよね?

Aさん:はい(あいづち)

あなた:次は砂糖を◯◯グラムにしてみようね

Aさん:はい(あいづち)

<パターン2>

あなた:たまご焼きが甘かったのはなんでだと思う?

Aさん:うーん

あなた:じゃあ、作ったときのことを思い出してみようか

Aさん:たまごを割って、かき混ぜて焼きました

あなた:うんうん。なにか忘れてないかな?

Aさん:あ、砂糖をたくさん入れちゃったかも

あなた:そうか、じゃあどうすれば良いかな?

Aさん:砂糖の量を減らす!

あなた:そうだね!でもどれだけ減らせば良いのかは調べてみようか?

 

 

パターン1は完全に指示をしているだけで終わっています。Aさんは内省の余地も無かったでしょう。ですが、パターン2は原因に誘導しつつも、結論については言及していません。このようにフィードバックを行う際は「問いかけ」を使い、相手に考えてもらうのが良いでしょう。

 

ちなみに、パターン2の場合は、ある程度のゴールが決まっている場合に有効だと思いますが、相手の創造力を養うには向いていません。次にパターン3を見てみましょう。前提としては、前の2パターンと同様に甘すぎたケースです。

<パターン3>

あなた:このたまご焼きはどうだった?

Aさん:うーん。甘かった

あなた:甘かったか。Aさんは、甘いのって好き?嫌い?

Aさん:好きー

あなた:そうかー、Aさんは甘いのが好きなんだね!じゃあ、甘いたまご焼きができてどうだった?

Aさん:嬉しかった!

 

 

パターン3の場合は、相手の価値観や感情にフォーカスしています。この続きとして、次にどんな料理を作ってみたいか?や、一緒に喜びを共有するなど、感性を刺激する方向に誘導できますし、なんといってもあなた自身も楽しいはずです。

フィードバックの仕方は十人十色

フィードバックといってもパターンに当てはめて行うことはなかなか難しいのではないでしょうか?何故ならば、フィードバックする相手は価値観や感情など、様々な背景を持っている人たちだからです。先に示したパターン3つもあくまで想定であり、このとおりにいくことは稀なケースだと思います。

 

重要なのは、相手のことを理解して、その時に最善となるフィードバックができるかです。そのためにも「自分の意思を押し売り」にするのではなく、「相手に気づき」を与えることを最優先にして、「伝達5割:問いかけ5割」でフィードバックしましょう。

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