動かしてわかるフローチャート入門|処理・分岐・繰り返しを体験しよう
フローチャートは、処理の流れを図で整理するための道具です。プログラムを書く前に、何をどの順番で行うのか、どこで判断するのか、どこを繰り返すのかを確認できます。
この記事では、フローチャートの基本である「処理」「分岐」「繰り返し」を、実際に動かしながら理解できるように整理します。画面内の値を変えると、流れがどのように変わるかを確認できます。
フローチャートとは
フローチャートとは、作業やプログラムの手順を、図形と矢印で表したものです。処理を長い文章だけで説明すると、順番や条件が分かりにくくなります。フローチャートにすると、処理の全体像を見ながら確認できます。
特にプログラミングの学習では、いきなりコードを書くよりも、先に処理の流れを整理した方が理解しやすくなります。フローチャートは、コードを書く前の設計図として使えます。
まず覚えたい3つの構造
フローチャートで最初に押さえたいのは、次の3つです。
- 処理: 上から順番に実行する
- 分岐: 条件によって進む道を変える
- 繰り返し: 条件を満たす間、同じ処理を繰り返す
ほとんどのプログラムは、この3つを組み合わせて作られています。複雑に見える処理でも、分解すると「順番に進む」「条件で分かれる」「同じ処理を繰り返す」の組み合わせになっています。
動かして理解するフローチャート
下の画面では、処理・分岐・繰り返しを切り替えて確認できます。入力値を変更してから「リセット」または「最後まで実行」を押すと、条件や回数によって流れが変わります。
条件を変える
入力値に1を足し、その結果を2倍します。
点数が合格点以上なら合格、それ以外なら再学習に進みます。
カウンターが終了値未満の間、1ずつ増やします。
処理は「上から順番に進む」
処理は、フローチャートの中で最も基本的な要素です。「入力する」「計算する」「表示する」のように、具体的な作業を表します。順次処理では、上から下へ、矢印の順番に進みます。
JavaScriptの例
let value = 3; value = value + 1; value = value * 2; console.log(value);
Pythonの例
value = 3 value = value + 1 value = value * 2 print(value)
コードにすると数行ですが、フローチャートにすると「どの順番で値が変わるのか」を確認しやすくなります。
分岐は「条件で進む道を変える」
分岐は、「もし条件を満たすならこちら、そうでなければこちら」という流れを表します。フローチャートでは、ひし形の図形で条件を表すことが多いです。
JavaScriptの例
const score = 72;
const passScore = 60;
if (score >= passScore) {
console.log("合格");
} else {
console.log("再学習");
}
Pythonの例
score = 72
pass_score = 60
if score >= pass_score:
print("合格")
else:
print("再学習")
分岐で大切なのは、条件をあいまいにしないことです。「高い場合」「できた場合」のような表現ではなく、「60点以上」「在庫が1以上」のように判定できる形にします。
繰り返しは「条件を満たす間だけ続ける」
繰り返しは、同じ処理を何度も行うときに使います。重要なのは、いつ終わるのかを決めることです。終了条件がないと、処理が終わらない流れになります。
JavaScriptの例
let count = 0;
const limit = 5;
while (count < limit) {
count = count + 1;
}
console.log(count);
Pythonの例
count = 0
limit = 5
while count < limit:
count = count + 1
print(count)
繰り返しのフローチャートでは、「条件を確認する」「処理する」「条件確認に戻る」という流れを意識します。カウンターを増やす処理を忘れると、条件が変わらず、繰り返しが終わりません。
フローチャートを書くときの注意点
- 処理を1つの箱に詰め込みすぎない
- 条件は「はい」「いいえ」で判断できる形にする
- 繰り返しには終了条件を必ず入れる
- 矢印の戻り先を分かりやすくする
- 読む人が同じ流れを再現できるか確認する
フローチャートは、きれいな図を作ることが目的ではありません。自分や他の人が、処理の流れを正しく理解できることが目的です。
関連記事でさらに学ぶ
フローチャートの書き方をさらに確認したい場合は、フローチャートの書き方の基本も参考になります。アルゴリズムの考え方は、アルゴリズムとは何かで整理できます。
繰り返し処理については、フローチャートの繰り返し処理の書き方で詳しく扱っています。具体例で考えたい場合は、自動販売機で学ぶ繰り返し処理や、条件分岐と繰り返しを組み合わせた例も確認できます。
まとめ
フローチャートは、処理の流れを見える形にするための道具です。基本は、処理、分岐、繰り返しの3つです。この3つを理解すると、プログラムだけでなく、業務手順や作業の整理にも使いやすくなります。
最初から複雑な図を書く必要はありません。まずは小さな処理を図にして、条件を変えたときに流れがどう変わるかを確認してみましょう。